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Microsoft de:code 2019 参加レポート (3/3) 〜まとめ&考察編〜

前中編2つを経て、最後に初参加したde:code全体への感想と考察で締めたいと思います。

blog.mamohacy.com

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de:codeに見るMirosoft社の戦略

de:codeのイベント全体の体裁として、AWS SummitともGoogle Cloud Nextとも違う雰囲気を感じました。Keynoteもそうですが、セッション中のライブデモが多く、とてもDeveloperに寄っている感じです。

またMicrosoftはWindowsにおいてはスマートデバイスでエンドユーザーへのタッチポイントを取れなかった代わりに、今後はエッジコンピューティングでその代わりを担おうとしているように見えました。これは専用のエッジデバイスを作っていることもそうですが、そのそれぞれの目的が「MEC」のようにあいまいなものではなく、何に使うのかを明確に定めて作っていっていることもその理由の一つです。中途半端に開放せず、どこを狙うのかのターゲティングを明確にしているようです。これはもしかするとスマートデバイスのときの反省が活きているのかもしれません。

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 さらに昨今のMSによるOSS化の推進や、GitHub買収、VS Codeの発展、Azure DevOpsのマルチクラウド対応、MS Teamsの劇的な発展などから見ても、エンプラユーザーではなくDeveloperやコンシューマーユーザーから派遣を取りにいこうとしている印象。私は過去のde:codeを知らないのですが、セッションの中でもMicrosoftはdeveloperrへコミットしてる旨が繰り返し語られていたし、それは何年も前から言われているようで、影響力の波及という意味で開発者フレンドリーであることを狙っているんだなということを感じました。

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 一方Azureはそれらすべての受け皿・下支えであり、当然他社追従は当然するものの、パッケージ化を強めて抽象度を上げ、よりユーザーに使いやすい形にまとめていくことで差別化しているように見えます。他のクラウドが、「作り手」目線で攻めているのに対し、Azureは徹底的に「使い手」目線で作っているように見えます。

来るべき次の時代を見つめているマイクロソフト

開発者と利用者。ヘビーユーザーとライトユーザー。ギークと一般人。

相容れないであろう2つの領域にいるユーザーを、その両サイドから取り込もうという二律背反の感じが、不思議でも有り面白くもあり、差別化要素として他のクラウドサービスプロバイダとは違う一面を際立たせています。

またMicrosoftはきっと今後、クラウドがもっているあらゆるサービスが一般ユーザーやコンシューマに降りていく時代を睨んでいて、Keynoteで動画が流れていたゑびやさんしかり、教育用Minecraftの話しかり、もうすこし先の時代を睨んで進んでいるように見えます。これは私も感じているし実際にそうなっていくといろんな人が予想していますが、おそらく今後「市民アナリスト」「市民プログラマ」のような、ギークとは呼べないが自分でコードを書いたりデータ分析することができるユーザーがどんどん増えてくるはずで、いまのマイクロソフトの戦略はまさにこの領域を取っていこうという戦略なのではないかと思われます。

サービスの違いよりも戦略の違いに注目したい

 よくクラウド比較という観点においては、AWS vs GCP vs Azureといった文脈でクラウドサービスそのものにばかり注目されがちですが、今回de:codeに出てみてあたためて感じたことは、サービス比較することにはまったくもって意味はなく、むしろAmazon対Google対Microsoftという、企業の持つビジョンと取りうる戦略のほうに注目すべきだと感じました。

  • インフラ費用に悩んでいた事業会社を虜にして市場のマスを取り、圧倒的な支配力と資金力で突き進むAmazon
  • デベロッパーに愛され、そのラブコールに応えてサービスの機能性を追求し、徐々にエンプラに寄せていっているGCP
  • コンシューマユーザー中心から未来に現れるであろう「市民アナリスト」「市民プログラマ」をも勝ち取る戦略に振り向けつつあるMicrosoft

数年前のクラウド界の覇権を取り合う時代に比べると、いまは各社の戦略が少しずつですが確実にズレはじめていて、ガチンコの覇権争いというよりどこから攻め落としていくか?の戦略勝負の様相を呈しています。この3社がいきなりクラウド事業をやめてしまうなんてことはありえない話ですし、こうなってくるとどこを使うべきか?などというPros/Cons比較には意味がなく、むしろ「どこの戦略に乗りたいか?」とか「どこの戦略となら肌が合うか?」でクラウドを選んでいく時代がくるのではないかと思います。

あと5年後、いったいどういう布陣でクラウド界隈は動いているのか、今から楽しみでなりません。 まだこの3社からは当分目が離せなさそうです。

おまけ:イベント運営に関する改善要望

同じ内容をアンケートにも書いたんですが、できれば運営者のだれかにリーチしてほしいのでここにも書いておきます。 いち参加者の意見として、ぜひとも取り入れて頂きたいです。

①入れないセションが多すぎる

まず有料のイベント、それもかなり高額のイベントであるにもかかわらず、セッション予約ができないとか意味がわからないです。事実、Twitterなどでも相当クレームの声が上がっていました。人気のイベントでは開始30分前で満席になっているものなどもあり、他のセッションを最後まで聞いてたら入れないものが沢山。そのために前のセッションを途中退出する人間が沢山いるという本末転倒な状況に。かくいう私も聞きたいセッションがあるために前のセッションを早抜けしたりしたんですが、それでも入れなかったりしたので、この怒りをどこへぶつけていいのかわからないときがありました。

②動線を無視した会場設計

セッション会場はEXPOを挟んでL字型に配置されているのですが、その角の部分に会場を向かい合わせで2つ作り、さらに待機列をホワイエの両サイドに3列でつくっていたためにセッション移動する人の列がそこがボトルネックとなり大量に滞留。これには先に書いた「予約できない」問題も効いていて、予約できないから早くならぶ→列が肥大化する→ボトルネックがより細くなる→さらに渋滞するという超悪循環。なぜあそこに会場をつくったのかさっぱり理解できません。

またEXPOの一番奥にセッション会場が用意されているのですが、底に行くためにはなぜかEXPOの中を普通に通らなければならなず、ここも動線の障害になっていました。もともとあのセッション会場には直行できるルートがあったはずで、何がどうなってあのレイアウトになったのかわかりませんが、たとえばサーバレスのセッションがEXPOの奥の会場から逆サイドにあるL字型の奥の会場というつなぎかた設定されていたりして、自ら渋滞を巻き起こしているとしか思えない運営方法でした。

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なんにせよ、これが無料だったら仕方ないかで済まされるんでしょうけれど、会社の費用や自腹で参加されている方もいらっしゃる状況でこの運営はちょっとまずいと思います。事実Twitterではかなりネガが立っていた模様。 セッションはとてもおもしろいものが多いので、印象を悪くするのはもったいないです。 ぜひとも次回以降、改善頂きたいです!