電磁波に撃たれて眠りたい!

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【AWS re:learning】Day5(1/1) AWS Well-Architected Tool

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今日から記載順序を入れ替えて目次を追加してみました。

●調査リスト

①公式サイト https://aws.amazon.com/jp/well-architected-tool/?c=mg&sec=srv
②ユーザーガイド https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/wellarchitected/latest/userguide/intro.html
③BlackBelt https://www.slideshare.net/AmazonWebServicesJapan/aws-black-belt-online-seminar-2018-aws-wellarchitected-framework
④DevelopersIO記事一覧 https://dev.classmethod.jp/referencecat/aws-well-architected-tool/
⑤リリースノート https://aws.amazon.com/jp/new/?whats-new-content-all.sort-by=item.additionalFields.postDateTime&whats-new-content-all.sort-order=desc&awsf.whats-new-management-governance=general-products%23aws-well-architected-tool
⑥ドキュメント更新履歴
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/wellarchitected/latest/userguide/doc-history.html

●温度感調査

Developers IO パラメータ

記事数:28
最終更新日Top3:2020.07.102020.07.092020.01.29

サービスアップデート状況

サービス提供開始:2018/11/30 

https://aws.amazon.com/jp/new/?whats-new-content-all.sort-by=item.additionalFields.postDateTime&whats-new-content-all.sort-order=desc&awsf.whats-new-management-governance=general-products%23aws-well-architected-tool

2020/12/16 AWS Well-Architected Tool で API が利用できるようになりました。
2020/12/03 AWS Well-Architected Tool が AWS SaaS Lens のサポートを開始
2020/12/03 AWS Foundational Technical Review Lens が AWS Well-Architected Tool で利用可能に
2020/07/10 AWS Well-Architected フレームワークと AWS Well-Architected Tool の更新
2020/06/24 AWS Well-Architected Tool が中東 (バーレーン)、アジアパシフィック (香港)、およびカナダ (中部) リージョンで利用可能に

2020年内のサービスアップデートアナウンス:9

ドキュメントアップデート状況

https://docs.aws.amazon.com/wellarchitected/latest/userguide/doc-history.html

December 16, 2020 This release adds the AWS WA Tool API. AWS CloudTrail logging information added.
December 3, 2020 This release adds the FTR and SaaS lenses to the tool.
November 5, 2020 Data protection information updated.
July 8, 2020 新しいレンズを使用するようにワークロードをアップグレードした後、以前のバージョンに戻すことができないことを明確化した。
June 24, 2020 2019年3月20日以降に導入されたAWSリージョンでの共有を明確化。

2020年内ドキュメントアップデート回数:12回

●AWS Well-Architected Tool サマリ

AWSが10年以上のお客様導入実績から得られた知見/ベストプラクティスの塊である「AWS Well-Architected Framework」というものがあり、これまではホワイトペーパーでの情報共有やAWSのSAやAPNのパートナー企業によるコンサルティングなどによって提供されてきたが、これをユーザー自身がセルフチェックできるツールとして提供したのがこのサービス。

https://image.slidesharecdn.com/20181211aws-blackbelt-well-architected-181212060610/95/aws-black-belt-online-seminar-2018-aws-wellarchitected-framework-24-638.jpg https://image.slidesharecdn.com/20181211aws-blackbelt-well-architected-181212060610/95/aws-black-belt-online-seminar-2018-aws-wellarchitected-framework-24-638.jpg

ただし、W-Aパートナーは日本には1社もないらしい(2021年1月5日現在、下記の条件付き検索ではヒットなし)

partners.amazonaws.com

弊社でも過去にAWS W-A Frameworkはコンサルとしては利用実績があり、効果は実感済みなのだがこれを主要な全案件に適用するのは相当に厳しく、正直絞って対応していたのでこのツールの登場は非常にありがたい(けど登場したことは知っていたが使ってなかった)

ワークロード定義を行い、そのために必要な質問に答えていくが、セルフチェックなので適用外にすることもできるしそのメモも書ける。その質問に関しての説明文が右側のペインに表示されるので、質問の意図がわかりにくい時などにも使える。

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全部の質問に答えると、レビュー結果と改善プラン、関連ドキュメントへのリンクが表示され、PDF出力できる。

https://image.slidesharecdn.com/20181211aws-blackbelt-well-architected-181212060610/95/aws-black-belt-online-seminar-2018-aws-wellarchitected-framework-88-638.jpg https://image.slidesharecdn.com/20181211aws-blackbelt-well-architected-181212060610/95/aws-black-belt-online-seminar-2018-aws-wellarchitected-framework-88-638.jpg

BlackBeltの中でも繰り返し語られていたが、AWS W-A Frameworkの目的はベストプラクティスを完全適用することではなく、あくあまでリスクや改善点の明確化に使うことにある。リスクがあるがその対策を取らなかった理由が何なのかを質問と回答という形で「明示」しておくことで、Whyを残せる、ということに価値がある。

https://image.slidesharecdn.com/20181211aws-blackbelt-well-architected-181212060610/95/aws-black-belt-online-seminar-2018-aws-wellarchitected-framework-60-638.jpg https://image.slidesharecdn.com/20181211aws-blackbelt-well-architected-181212060610/95/aws-black-belt-online-seminar-2018-aws-wellarchitected-framework-60-638.jpg

深堀りの有無

実施する

深堀りの内容

正直触ってみた程度で実環境への対応はしていないが、サービス上にワークロードを作成し、質問に回答していった。

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ベストプラクティスは「Lens(レンズ)」というらしい。2021/01/05現在、下記4つのレンズを選択できる

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レンズごとに異なる質問の塊に答えていくと

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レポートが作成される

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5つのピラーごとにリスクの大小で一覧表示され

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詳細表示すると、回答の内容に対応する推奨される改善項目のリストが表示され、これのリンクを押すと

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具体的な対策内容が表示されるという流れ。

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回答によってリスク評価が変わるのか試したかったので、「高リスク」と判断された下記の質問への回答を

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こんな感じですべてチェックをしてみたところ、

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「特定された改善点がありません」に表示が変わった。

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これをひたすら繰り返しつつ、必要な箇所や除外しながら改善箇所やリスクを把握していくのが主な流れ。

●所感

このサービスは他のAWSサービスと違い、システムとしての機能を実現するリソースに影響を与えるものではありませんが、アーキテクトのサポートツールとして使ったり、ガバナンス部門との協議やビジネスサイドとの合意取得に使ったりと、特にエンタープライズの中において、なかなか意思疎通が取りにくい部門との「共通言語」として使える可能性があるなと強く感じました。

PDFとしてのレポートを出力できることはレポートラインへのスナップショット報告にも使えますし、なによりこのWell-Architected Toolのコンソール自体が当該システムのアーキテクチャポリシーを管理し、その対策実施ステータスを管理するためのWebサイトとして機能するので、このあたりの準備に四苦八苦してしまう非技術メンバーにとってはとてもありがたい存在になりうるはずです。

↓対策の要否の管理のみならず、実施ステータスも管理できる f:id:mamoahcy:20210105135639p:plain

また現時点で存在するサーバレスレンズやSaaSレンズ、FTRレンズなども今後増えていくことが想定されていて、クラウドを活用してサービスを展開する会社の中のいわゆる「Non-Tech系」メンバーにとって自分の領域に関係するレンズを軸に、AWSを理解することや学びの入り口としても非常に有効なツールだと思います。

今後我々CCoEが重要システムのアーキテクチャレビューを行う際も使えるようもう少しチームで深堀りしつつ、これを軸にフラットに評価をしていくような運用スキームを考えてみたいと思いました。

●参考情報

↓20191120 aws well architected tool seminar - reliability pillar
https://www.slideshare.net/secret/d74uk3yxaBkzo4