年末に思わぬ臨時収入が手に入ったので、ずっと憧れつづけていたコイツをついにGetしました! ということでGoProとは何か?とその凄さを紹介してみます。 (ちなみに購入にあたってはアメリカからの個人輸入代行サービスを使ったのですが、そのときの話はまた別のエントリで。) そもそもGoProって何? 簡単にいえば、防水/防塵/耐衝撃性能を持った超小型ムービーカメラです。 正確には本体ではなくケースとセットにする事でこの性能が得られるのですが。
こいつの何が凄いかと言えば、携帯性を徹底的に上げるために、フラッシュも、ズームも、プレビューのための液晶画面も全部取っ払ってしまったところです。撮影ボタンを押したら撮れるけど、何が写ってるのかは帰ってデータを開いてみるまでわからない。日本製品にありがちな「やりたいことはそれ1台でなんでもできる」といった優等生的な仕様とは正反対となる、極端にできる事を絞って超ニッチなニーズにビタで当て込みに行くという作戦は結果的に大成功を収め、いわゆるエクストリームスポーツをやる人達に記録的ともいえる爆発的ヒットとなりました。 その人気は3代目となった今でも衰えを知らず、現在でも品薄状態が続いています。
↓デジカメの革命児「GoPro」、300万台超を売った人気の秘密 - 半導体リサーチ - 日経BP半導体リサーチ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130221/267332/?ST=SCR
↓本日時点での日本正規代理店の販売ページ。一時期はここの「カゴに入れる」ボタンの下に2ヶ月待ちの表示がされていた(汗)
http://store.gopro-nippon.com/products/detail.php?product_id=62
なぜにエクストリームスポーツ?
この製品の初期プロットを作った本人自身がサーファーであり、その人が自分のライディングを綺麗に残す方法を徹底的に考えぬいた結果、この製品が生み出されました。つまりエクストリームスポーツで使うべくして生まれたのがこの製品といえます。もちろん今までも似たような撮影ができなかったわけではありませんが、こいつの登場によって、これまでではありえなかった画角の撮影に成功したのです。
GoProの撮影画角は何と170度もあります。超至近距離から撮影しても殆どの被写体が収まってしまいます。そして専用のケースに収める事で、防水、防塵、耐衝撃の3拍子揃った強靭な撮影デバイスへと変身できます。それゆえ、ヘルメットの上や横、ハンドルポストへの設置から始まり、スケートボードやスキー板の上に直接固定したまま滑ったり、サーファーが手に持ったまま撮影したり、一脚の先に取り付けてスノーボーダーが超至近距離で自分の滑りやスノースプレーの上がりっぷりを撮影したりなどなど。
驚くほど小さく軽いボディであるが故に、これまで不可能とされていたような撮影方法がユーザーによって次々に生み出され、その映像は日々YouTubeなどを通じて世界に発信し続けられているのです。新しいデバイスであるがゆえに新しい発見もある。まさに限界を超えることが信条であるエクストリームスポーツユーザーにとっては、自分の活動を記録するツールとしても非常にCoolであったわけです。
↓これは僕自身。手に持って自画撮りした瞬間。めちゃめちゃ天気がよく逆光なのにこの美しさ!
↓GoPro公式トレイラー。これを見ると、見たこと無い映像が満載!しかも当然、すべてGoProで撮影されています。
これまでの常識では考えられない「機能制限」
先にも書きましたが、このGoProには日本製の家電には絶対にあり得ない機能制限がいくつもあります。 まず、殆どのデジカメについている大きな液晶ディスプレイがついていません。ついているのはバッテリー残量や撮影済み動画数や撮影可能時間、撮影モードなどが表示される小さな白黒液晶画面のみ。撮影した動画は家に帰ってPCに接続して見るまで分からないのです。(正確には確認用のモニタを外付けできるのですが、バッテリーを食う上、サイズが1.3倍くらいになってしまうので付けたまま撮影する人は殆どいません。)
そもそもプレビューしながらの撮影ができないのですから、ズームなどは当然非搭載。またフラッシュもこのデバイスが基本的に動画撮影に特化している事から除外されています。 そしてこれも凄いのですが、なんとバッテリーが1.5時間しか持ちません。撮影中でも待機状態でも同じくらいしかもたないらしいので、撮影する行為そものにはバッテリー消費はしないのでしょうね。とはいえ、いくらなんでも1.5時間は短かすぎます。GoProを買うなら予備バッテリーの購入は必須です。
↓Q:HERO3 バッテリー持続時間 3000 GoPro NIPPON [GoProマスターディストリビューター(日本総代理店)]
http://www.gopro-nippon.com/faqs/ans/hero3/3000.html 日
常生活の撮影にGoProを使う意味はあるか?
さて、ではこのGoProをエクストリームスポーツをしない人達が使う事に意味はあるでしょうか? 個人的には「外を出歩くのが好きな人なら意味あり!」だと思います。 正直いって狭い室内では歪みが酷くて殆ど魚眼レンズのような映り方になってしまいます。なのでよほど広角や至近距離で撮りたい時以外はあまりオススメはできません。 ↓室内を撮影した映像(公式HPより)。狭い部屋だと端っこが歪みまくり。
しかし一歩外に出れば話は別です。 170度もある画角は、人が目でみた景色そのもに近い超ワイドアングルで、臨場感たっぷりの映像を撮影することができます。目で見たままに近いということは、ディスプレイなどついていなくても、自分が目視できる範囲ものはシャッターを押せばだいたい映るということです。
しかも超広角なため対象物を収める際にイチイチ撮影者が後ろに下がる必要がなく、後ろの建物と一緒に映るなら1m、上半身のポートレイトをとるなら50cmも離れていれば十分に画角に収まるので、混雑している場所なんかでも気にせずバシバシ撮影できます。 ↓プレビューも見ないで適当に押してもこの通り
↓こんな位置からの撮影もポールとリモコン使って楽勝。もちろんモニタ見て撮ったものではありません。
↓これも公式サイトより。GoProを赤ちゃんの頭につけて高い高いしたらどうなる?という映像。 スローモーションにしても超キレイ。
防水であり、防塵であり、耐衝撃でもあり、かつハウジングは本体と別なので万が一壊れても後で購入しなおすることが可能。エクストリームスポーツしない人でも、海やプール、山登りに持って行ったり、旅行先で景色を撮る、集合写真をとるなどにも使えます。また、超コンパクトで設置場所に困らないので、例えばですがクルマの中に設置して移動中の車内を撮り、「水曜どうでしょう」ごっこをしてみたり、タイムラプス動画を撮影できるので、星がきれいな山に登って夜中から明け方まで撮影し続け、星空と夜明けの太陽を連続で撮影するといったことも可能です。
家族でどこかに出かけるのが好きな人にとって、GoProは持っていて損はないデバイスであると断言できます。
最大の問題点はデータの大きさと画像編集
GoProのデータはAVCHD形式で圧縮されているとはいったものの、それなりの時間を撮影するとあっというまにギガバイトクラスのデータになってしまいます。なので購入時点で最低でも16GB以上のmicroSDカードを購入しておくほうが無難です。
また、自宅にテラバイト単位のハードディスクを持っていないと、撮影したデータを保存する先があっというまに無くなってしまうので、このタイミングでスケールアウトしておくことをオススメします。
↓AVCHD - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/AVCHD
また、このAVHCDという圧縮形式はかなり高圧縮されているため、そのままで編集するのにはそれなりのPCでのスペックが必要になります。いったん別の形式(wmvとかmovとかaviとか)に無劣化のまま変換しなおしてから編集する必要があります。
うちの場合は普段使いがMacBookなので、いったんmovに変換してからiMovieに入れて編集しています。それでもデフォルトの設定(1440p/48fps)では、データサイズがバカでかくなってしまう上、PCにコピーして再生するだけでもスペックを必要としてしまうので、残念ですが初代HD Heroと同じ1080p/30fpsに設定して録画しています。といってもこの設定でも地デジと同一画質なので見劣りは一切しません。我が家のMacではこのスペックなら問題なく編集ができるようです。
GoProはあくまで撮影デバイスに特化しているので、このあたりの編集をGoPro本体で行なうことはできませんし、日本の製品のように、ご丁寧にオーサリングツール(動画編集ツール)のCD-ROMを箱の中に同梱してくれていたりもしません。GoPro公式HPに多少の編集を行なえるアプリはありますが、これも自分で取りに行ってダウンロードする必要があります。GoProを撮影するだけなら誰にでも簡単にできますが、撮影したデータを加工したり長期保存したりする場合には、ある程度のITスキルとそれなりのスペックのPCが必要となることは、購入前に覚悟しておく必要があるでしょう。
GoProは、生まれこそエクストリームスポーツですが、日本製品にはないエッジの効いた製品で、たぶん痒いところに「しか」手が届かないものです。。ですが、その尖りっぷりは、普段の生活の仕方に、文字通り「えぐるような」変化を与えてくれます。日々の生活に刺激が足りないと思う方はぜひとも買ってみてください。その値段に見合うだけの価値を、きっと味わうことができるはずです。 最後に、僕が撮影し、iMovieで編集したスノーボードムービーを載せておきます。 Macに標準バンドルされているツールのみを使い簡単な編集でこのくらいはできます。 可能ならフルHDに設定変更してご覧ください。GoProの美しさを堪能できます。