先月末に「唾石症摘出手術」という、なかなか経験できない手術をしてきたので自分への備忘録とこれから経験される方のために発見から予後までを順を追って列挙していきたいと思います。
かなりの長文になりそうなので、今回はいつもと少しタッチを変えて、ドキュメンタリー風に書いていきます。
長くなったので全部で5部に分けました。
ここからちょっと私小説風文体でお送りするので、お暇な方だけお付き合いください。
違和感
今年のお盆休みの真っ只中だった2020年8月14日(金)
うだるような暑さの続く夏で、みんなでお昼を食べていたら「舌の根元が攣った」ような感覚になった。ものすごい激痛に襲われ、あわてて舌を伸ばしたりして対処しようとしたが、そうこうしてるうちに左の喉元がゴルフボール大くらいのサイズでとんでもなく腫れていることに気づいた。
攣っているだけにしては腫れが大きすぎるし、首が突っ張って真上を向けないレベルだったので、慌ててかかりづけの総合病院に向かいCTを受ける。 診察室に戻り、呼び出されたあとに見せられたCTに驚きを隠せなかった。
「唾石症ですね」
このとき初めて担当医から「唾石症(だせきしょう)」という名前を聞かされた。
【唾石症】
唾液を排出する唾液腺や導管の中に、カルシウムを中心とした「石」が出来てしまう病気。タバコ吸ってる人や水分足りない人に多いとか言われているが、尿路結石と違いはっきりとした原因は不明。自覚症状があったりなかったりと差があるが、私の場合は殆ど自覚症状がなくとんでもないサイズまで石を育ててしまったパターンだった。
巨大すぎる唾石
CTに写っていた唾石はこれ以外にも何個かあり、この写真に写っている巨大石のサイズはなんと1.5cm x 2.0cm位もあるとのこと。
さらに、数ミリ程度の小さいものであれば唾液口から取り出したり自然排出を促進したりもできるが、このサイズまで成長させてしまうと顎下腺という唾液線の一種を石と一緒に丸ごと取り出すことになるという。入院は1週間で、全身麻酔による手術が必要。まさに青天の霹靂だった。
しかもその場合、
①首に数センチ単位の大きなキズが残る。予後も長い。
②ある程度の確率で顔面麻痺が起きてしまう可能性がある
私は男なので傷が残るとかは別にいいが、表に出ることも多い職業柄、さすがに顔面麻痺は避けたい。
(はてさて、どうしたものか。。。。これは覚悟しなきゃダメかな。)
このときは、そんなふうに考えていた。
予兆とか痛みはあったのか?
そもそもなぜこんな大きさになるまで放っておいたのか?過去に予兆や痛みはなかったのか?というと、まず痛みはほぼなかった。
しかし今から考えると、予兆とも取れることは何度か起きていた。
A) 時々、熱もないのに扁桃腺が腫れることがあった。しかも左側だけで、暫くすると急に良くなるパターンが多かった。
B) 歯医者でレントゲンを撮ったときに、「顎下腺あたり石灰化してる可能性があるので痛みが出たら病院に行ってください」と言われた
C) 会社の健康診断で左首元の腫れを指摘され、甲状腺異常の疑いで精密検査するも異常なし
実は数年前から喉元が頻繁に腫れることがあったんだけど、風邪でもないのにリンパ腺がよく腫れるなぁなどと言ってました。1年前の健康診断の触診で甲状腺異常を疑われ精密検査するも異常なし。今年に入り尋常じゃなく痛みと腫れが出たので近所の病院に行ったら「唾石症」と診断されました。 #唾石症
— mamohacy (@mamohacy) 2020年10月26日
いまから冷静になって考えると、A)は扁桃腺じゃなく顎下腺の腫れ(おそらく石が疼いた)、B)は石灰化じゃなく唾石が写っていた、C)は甲状腺じゃなく顎下腺ということで予兆はありまくったということになるかもしれない。が、とにかく自分自身が痛みという自覚症状を殆ど感じていなかったことが発見の遅れにつながった。
B)は今から思い返すとおそらく7~8年前、 Aに至っては30代前半から症状が出てた気がするので、あの石は10年以上かけて成長した可能性が高い。
さっきFacebookの投稿を見返していたこんなことを書いていた。熱が出てない上に左側喉元なのでまず間違いない。このときの診察はCTもとってないしおそらく間違いで、この時点で唾石は巨大化しており、その石が疼いていたものと思われる。
もう首を切るしかない覚悟はある程度できていたものの、ダメ元でインターネット経由で色々調べてみることにした。 そこで意外な事実を知ることになる。
(Vol.2 「名医」へ続く)