前回のエントリーで「超・断捨離を断行する」って話をしました。 その記事中に、「1つのことに集中していたときは自動運転に任せていた」旨の記載があります。
もっといえば、もう向かう先を完全に明確にしていたから、 操舵は自動運転にまかせてアクセルは床まで目いっぱい 踏み込んでいるような状態が何年も続いていた。
後から振り返って気づいたんですが、これって引き寄せの法則(カラーバス効果)を上手く活用できていたからなんじゃないかな、と。
引き寄せの法則(カラーバス効果)とは?
とても有名な心理学の法則の話なので多くの人が知っていると思いますが、あることがらを強く意識するとそれに関連する情報が無意識に集まってくるという心理的な効果のことです。わかりやすい例えでいうと、自分が新しいクルマに乗り換えたとき、殆んど意識していなかったその車種が町中にやたら走っているように感じる、というアレですね。 自分の頭の中に強くビジョンを描くと、普段ふつうに生活しているだけでもいろんな目に情報が飛び込んでくるようになります。この効果は無意識下で起こるのですが、起こっていることを自分で意識すると、その効果の高さに本当に驚かされます。
さらにこの方法は自分が意識するだけでも効果が得られますが、実は思っていることを普段から発信していると、さらに高い効果が得られます。
過去にこれを「インプットバースト」という表現をつかって発表したことがあります。明確な軸を決めて情報を発信し続け、コミュニティの勉強会で登壇していると、それに紐づく人の繋がりがどんどんできて、その繋がりから情報が逆流してくるというものです。
DevRel活動における「つながり」の広げ方と育て方〜ナレッジ・エコシステムとその効果〜 - Speaker Deck
これは、SNS上で起きる「エコーチェンバー」をハックして、引き寄せの法則を最大化させる方法です。よく興味関心軸(クラスタ)ごとにSNSアカウントを分けて、それぞれその関心軸に類する情報だけを情報発信している人を見かけますが、それはこのインプットバーストを複数の人格で実行できているとてもわかりやすい事例です。それなりに手間がかかる面倒な方法ですが、現時点における最も高い引き寄せ効果を得る方法だと思います。
私も複数アカウントを分けて使い分けしようと考えていた時期がありましたが、面倒臭くなってやめてしまいました。いまはFacebookを軸にして仕事+プライベートを少し整えて投稿し、X(Twitter)は仕事側を中心に乱雑に発信する、みたいな使い方をしていますが、関心軸でアカウントを分けるなどの工夫はしていません。
発信の中心がクラウドであり、仕事も業務時間後のプライベートの時間もすべてクラウドに心酔していた時期は、これでも十分に上手くいってました。かくしてFacebookの友人は1500人近くになり、ほぼオープンと変わりないソーシャルネットワークが出来上がってしまいました。
明確な意思やビジョンを持たず発信だけ続けるとどうなるか?
インプットバーストをうまく活用することで、自動運転システムの代わりになるということは先に書いたとおりですが、これを明確なビジョンや意思なく発信だけ続けていくとどうなるのでしょう?これが、昨年度私が陥った状況そのものだったと思われます。
すでにたくさんの人的ネットワークがSNS上に組み上げられている状況で、そこに情報を流せばフィードバックループがまわってそれに類する情報が返ってきます。流す情報そのものに本人の強い意志や判断が乗っているのかどうかなんて受け取る側はわかりません。ましてやアカウントの区別を付けていないなら尚更です。流された情報に反応した繋がりの先にある人は、良好な関係を作ろうと様々な機会を与えてくれます。そしてフィードバックを受けた私自身に明確な判断基準がないのでそれをそのまま受取り、関係を作り、パスが増えていく。受け取れきれないほどの情報が意思と関係なく入り込んでくるようになり、どんどん疲弊していく。。。
要は 自分で命名までしたこの策によって自らの首を締める結果になった ということです。 2023年の終盤ではコミュニティに顔を出すことすら億劫になっていましたが、これは「SNS疲れ」をきっかけに、「コミュニティ疲れ」にまで至ることになってしまった、ということでしょう。
いずれにしてもいまのままのやりかたで運用を続けるのはとてもまずいことは明らかです。 エッセンシャル思考をたよりにやることを絞ったあとは、SNSアカウント構成や使い方についても整理を進めていくことにします。