これをどこに書くか迷ったんだけど、忘れてはいけない大切なことなので、ここに書くことにする。
つい先日、実家の犬が亡くなった。
メイ 享年14歳。
コーギーだからかなり長生きしたほうだと思う。
彼女は僕ら夫婦が結婚するという頃にうちで飼われだした子だ。はじめの頃はうちらが帰る度に玄関で「うれション」してしまい、掃除が大変だったことをまるで昨日の事の様に覚えている。
彼女は正義感が強く、そして主人に忠実な犬だった。彼女にとっての主人は僕の父であり、常にその主人のそばにいて守ろうとしていた。彼女のなかでは僕の母は自分の主人を脅かす存在だという認識があり、母が父のそばに寄ると吠えて守ろうとしていた。あの小さなカラダで精一杯うなって、彼女の思う敵を追い払おうとする姿は本当に健気だった。
彼女が亡くなるほんの一週間前、僕らは昔に比べると随分と痩せこけてしまった彼女が調子悪く咳き込む姿を実家で見ていた。実家の家族はみな、最近どうも調子が悪いと話していたばかりだった。小さな頃は僕らが実家に帰るとまるでスーパーボールのように跳ねていたのに、最近の彼女はいつもコタツの周りで寝ている事が多かった。
そんな彼女は近年、それまで全く経験がなかったのに、よく脱走するようになった。いまから思えばそれも、もしかしたら彼女なりに死期を悟り、主人と離れて死ねる場所を探しての行動だったのかもしれない。
そして、亡くなる前日の夜。
いつも一緒に寝ている祖母が夜中に目を覚ますと彼女の姿がない。どこに行ったのだろうと家の中を探すと、彼女が若い頃ずっと一緒に散歩をしてくれていた祖父の仏壇の前で
小さなそのカラダをもっと小さく丸めて寝ていた。もしかしたら、天国の祖父にもうすぐ逝くよ、と挨拶をしにきていたのかもしれない。そう思うと、涙が止まらなかった。
一緒にいると、ずっとそこにいることが当たり前のように感じてしまう家族の存在。
でも、ヒトもペットも動物として生きている以上、かならずその命が途絶える時がやってくる。
しかも大抵の場合、その瞬間は突然やってくる。
だから、忘れないで欲しい。
家族への感謝の気持ちを伝えること、
話したいことや聞きたい事を面と向かって話すこと、
謝らなきゃならないことを目を見て伝えることは、
本人が生きているうちにしなければなんの意味もないんだということを。
そして、その機会は自分も、当事者である家族自身も思いもよらないタイミングで失われてしまうんだという残酷さを。
メイ。。。。
いつも楽しい時間をありがとう。
祖父が亡くなったあとの両親と祖母の心を支えてくれてありがとう。
家族の尊さを教えてくれてありがとう。
また、いつか・・・
天国で、会おうな。