社会人になってからの自分は、スノーボードするために生き、働いていたと言い切っていい。mamohacy=スノーボードというアイデンティティを自負していたし、周りからも間違いなくそう思われていただろう。
毎年冬に向けて夫婦で徹底的な節約生活をしてお金を貯め、カラダ作りを進めて室内ゲレンデに通い、シーズンインより遥かに先行してギアの購入と宿の手配を行い、冬に忙しくなりがちな自分の仕事もなんとか調整をして週末に備えた。「冬になったらはあいつは絶対に捕まらないよ」と友達に言わしめるほど、ストイックにスノーボードにのめり込んでいた。
例え子供がてきてもスノーボードは続けると確信していたし、夫婦の共通の趣味として毎年冬が来るのが楽しみで楽しみで仕方なかった。きっとそれは嫁もまったく同じ思いだっただろう。
でも。。。
夫婦円満の秘訣だったはずのスノーボードが、もはや夫婦ゲンカの原因にしかならなくなっていた。説得や会話云々の前に、そのキーワードを家庭内で出す事自体、言い争いをスタートさせるトリガーにすらなりはじめていた。
少しずつ、自分の中で何かが壊れていく音が聞こえた。
つづく。。。