電磁波に撃たれて眠りたい!

今日も電磁波浴びまくりのIT業界で働く@mamohacyがガジェット/クラウド/IT業界を語ってくブログ

Retina #05「覚悟」

一定期間様子見する、という方針に決めたものの、その後は不安との戦いの日々だった。

この時までに色々と調べていくなかで、網膜剥離になるとどういう症状が起きるかを知ってしまったからだ。

毎朝目覚めたら視界がなくなっているかもしれない。ベッドで目覚めては、手で片目を1つづつ隠して視界を確認する。

(大丈夫。今日も、大丈夫だ)

いままで気にもならなかった飛蚊症が、なんだかやたら見える気がする。光視症が起こったり、痛みが走ったりするたびに、病院担当者に電話した。 寝不足もたたっていたのだろう。電話が終わるたびに、当時勤務していたお台場のオフィスの廊下で、ぐったりしていたのを思い出す。

(なぜ、俺なんだ?)
(なんでこんな思いを自分だけが???)

そんな自問自答を、1ヶ月間も続けた。

緊急性が高くない、という自分に選べる自由があったことが、逆に悩む原因を作った。今思えば、この期間は私がヒトとして1段強くなるために必要な時間だったのかもしれない。

『今後一生、明日剥離するかもしれないという爆弾を抱えながら10年、20年と過ごして行く覚悟を、お前は持てるのか?』

『激しい運動もせず、静かにゆっくり生きていくことなど、自分にできるのか?』

『なにより、もう二度とスノーボードができない人生なんて到底考えられない』

『この問題から逃げて、誤魔化しながら生きていくのは、もう疲れた。』

『リスクはゼロじゃない。そんなことはわかってる。怖い、怖い、逃げ出したい。』

『だけど、それでも、、、、もう一度スノーボードがしたいんだ!』

事故が起きてから1ヶ月後の2006年2月7日。
再び順天堂大学病院を訪問し、ドクターに伝えた。

「先生、俺、やっぱり手術、受けます」

ドクターは微笑みながら言ってくれた。

「そうですか。では一緒に頑張りましょう」

入院は、来週早々に決まった。

(続く)